【デプスインタビュー】初心者で陥りがちな3つの失敗ポイントと乗り越え方

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はじめに

デプスインタビューは、ユーザーの深い心理や行動の理由を探るための有効な手法ですが、初心者は進行の難しさや質問の組み立てで悩みがちです。本記事では、2名体制での進行、5W1Hを活用した質問の工夫、そして質問一覧に縛られない柔軟な進め方について具体的な事例とともに紹介します。

できれば2名体制で臨む

2名体制のメリット

インタビューは、1名よりも2名体制で行うことで、質が向上します。1人はメインインタビュアーとして質問の中心を担い、もう1人はサブインタビュアーとして状況全体を把握する役割を持つのが理想的です。

  • サブインタビュアーの視点:メインが質問に集中する一方で、サブは客観的に状況を把握でき、進行の軌道修正をサポートします。
  • 質問の幅を広げる:サブインタビュアーが別の視点で質問を挟むことで、新たな洞察が得られる可能性が高まります。

メモ取りだけで終わらせないサブの役割

サブインタビュアーは、ただの記録係ではなく、以下のような貢献も可能です

  • タイムマネジメントを担当し、質問の優先度を整理する。
  • メインインタビュアーが深掘りしすぎたときに、新しい観点から質問を挟む。
  • 聞き逃した質問を補完し、全体的なバランスを取る。

Good/Bad事例:製品インタビューでの2名体制

テーマ:新製品の使用感に関するインタビュー

Good事例
メイン質問者:「この製品を使ってどう感じましたか?」
回答者:「すごく便利でしたが、重さが気になりました。」
サブ質問者:「具体的に、どの場面で重さが不便でしたか?」
→ サブが補足質問を入れることで、使い勝手に関する詳細な課題が明確になる。

Bad事例
メイン質問者:「この製品を使った感想を教えてください。」
回答者:「便利でした。」
サブ質問者:(質問せず、黙ったまま)

→ 顧客の回答が浅く、具体的な課題を引き出せなかった。

1名で進行する場合の解決策

とはいえ、インタビュアーとしてメインとサブの2名体制を確保できない場合もあると思います。ただ、1人でのインタビューは、問とメモの両方に集中しなければならないため、重要な情報を逃しやすくなります。また、相手の発言に追いつけず、深掘りができなくなるリスクもあります。しかし、1名体制で進行する場合には下記のような手法をとることで、解決できる場合があります。

  • ボイスレコーダーアプリでインタビューを録音し、後で確認・文字起こしする。
  • オンラインインタビューでは自動文字起こし機能を活用し、質問に集中する。
  • 事前に質問の優先順位を決め、重要な質問に時間を確保する。

5W1Hを意識して質問を深掘りする

5W1Hを活用する理由

5W1H(Who, What, Where, When, Why, How)は、対象者の行動や選択の背景を多面的に理解するための質問の指針になります。

Good/Badのインタビュー事例:顧客が製品を選んだ理由

Good事例
インタビュアー
:「なぜこの製品を選んだのですか?」(Why)
顧客:「コスパが良かったので選びました。」
インタビュアー:「具体的にはどの点がコスパが良いと感じましたか?」(How)
顧客:「他の製品は月額3000円ですが、これは1000円で同じ機能が使えたからです。」
→インタビュアーがWhyとHowを重ねて深掘りしたことで、選択の背景が明確に。

Bad事例
インタビュアー:「この製品を選んだ理由は?」
顧客:「コスパが良かったからです。」
インタビュアー:「そうなんですね。」
→質問が浅いため、深い情報を引き出せていない。

とはいえ、深掘りの質問をその場その場で臨機応変に行うのは言うは易く行うは難しで、日頃からの訓練が必要です。

チームや友人とロールプレイで即興インタビューを行って、回答に対して即座に「なぜ?」や「どうして?」を追加する習慣をつけたり、ニュース記事や事例を読んだら5W1Hで要素を分解する練習をしたりするのも効果的です。

例:「この出来事の背景はなぜか」「どのタイミングで起こったか」を自問する。

質問一覧に囚われすぎず、柔軟な進行を心がける

質問リストの落とし穴

インタビューをするときには、事前に質問リストを作ることが多いと思います。インタビューガイドに、どのような質問をすれば良いか流れに沿って書いて準備すると思いますが、いざ本番になるとついその流れを守って、全部の質問をしきらなければならないと思ってしまうことも多いでしょう。

ただ、質問リストに固執すると、相手の回答に対する深掘りが不足することがあります。また、「次の質問に早く移らなければ」という焦りから、会話が機械的になり、相手の本音を引き出せない場合があります。

柔軟に対応するための工夫

  • 質問リストは、あくまで「ガイドライン」として使い、相手の反応に合わせて変更する。
  • 必要に応じて質問を飛ばしたり順序を変えることを恐れない。
  • 質問一覧の中で、これだけは聞いておきたいという質問やテーマを2,3個ピックアップしておき、他の質問に関しては流れで聞ければベターくらいの状態にしておく。
  • インタビュアーは「相手が話したいテーマ」に着目し、それに沿った質問を展開する。

Good/Bad事例:オンラインショッピング体験のインタビュー

テーマ:顧客のオンラインショッピングの課題

Good事例
インタビュアー:「注文はスムーズにできましたか?」
顧客:「少し迷いましたが、なんとか進めました。」
インタビュアー:「どこで迷ったのですか?」
顧客:「支払い画面が複雑で、入力ミスが多かったです。」
→ 事前の質問リストにはないが、顧客の反応を受けて柔軟に質問を変更した。

Bad事例
インタビュアー:「注文はスムーズにできましたか?」
顧客:「少し迷いました。」
インタビュアー:「では次に、商品選びの話を聞かせてください。(インタビューリストを見て、残りの質問も終わらせなきゃと焦ってしまい、次の話に移ってしまった)」
→ 顧客の回答を深掘りする機会を逃してしまった。

インタビューを終えたあとは、インタビューの内容を記事化する必要がありますが、インタビューAIを使うと、1時間の音声をわずか15秒で文字起こしでき、かつ、インタビュー内容を自然な会話形式に自動修正してくれます。ぜひ、無料体験してみてください。

まとめ

デプスインタビューを成功させるためには、2名体制のメリットを活かし、サブインタビュアーが積極的に質問することが効果的です。また、5W1Hを意識した質問の組み立てと、質問リストに縛られない柔軟な進行が重要です。これらのポイントを押さえることで、より深い洞察を得られるインタビューが実現します。

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